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初めての栽培技術特許 農業と知的所有権

  • 執筆者の写真: sandayu9
    sandayu9
  • 2017年6月16日
  • 読了時間: 2分

大学で、地域資源利用論を教えている。今年、力を入れているのが、知的所有権と地域資源だ。商標権や地理的表示保護制度の登録品目が増え、農業や農産物で知的所有権の利用が当たり前の風景になってきた。古い写真を見ていたら、1989年辺りに書いた記事が出てきた。バラのアーチング栽培が特許申請され、それが論議を呼んでいるという。記事によると(私が書いたのだが)、わが国の農業の栽培特許としては最初のものだという。知らず知らずのうちに農業と知的所有権をめぐる最初の出来事にぶち当たっていたことになる。

89年9月に福岡から東京に戻り、花やきのこなどの特産の栽培技術を担当。その中で最初にぶつかったテーマだった。この1面の記事合わせて3回の連載記事を掲載している。

確か、最初にアーチング法のほ場を訪れたのは栃木のバラ農家。ハウスの中に招き入れられ、「これをみて何か感じませんか」と言われた。根元から出るシュートを切りとる革命的な栽培方法だったが、「分かりません」と答えた。たぶん、農家は「花担当と言ってもこいつは素人だな」と思ったろう。

枝の仕立て方に名人芸を要求するバラの世界で、素人でも高品質のバラ栽培を可能にしたアーチング法。その後世界に広がり、世界のバラ生産の風景をがらりと変えた。オランダなどの欧州の産地からアフリカ、インド、南米に劇的に産地が移動する原動力の一つになった。これはいつか触れたいと思っている。


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