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根拠なき熱狂か 米国の農家
- sandayu9
- 2017年1月15日
- 読了時間: 1分
「ばりばりの絶好調だぜ」。今の米国農家の気持ちを一言で表せば、こんなふうになるのだろうか。米国のパデュー大学とシカゴの商品取引所が毎月まとめている全米の農家の景況感指標調査によると、12月の数字は前月から急上昇し過去最高の132を記録した。最近の穀類相場がぱっとしない中での気分高揚は、11月の米大統領選挙による「トランプ効果」が関連しているらしい。
日本農業新聞15日付に掲載した。
大学が商品取引所とくんでこうした調査をしているとは米国らしい。調査の本文(英語)はこちら。
農家が、トランプ新政権の農政に期待していることは確実だ。農業生産の足かせとなってきた各種の環境規制撤廃などに、トランプ氏が大胆に動くとみられている。通商交渉では農業を含めた米国の産業に有利な内容になるよう各国を責め立てる見通しだ。
ただ、13日の時点で農務長官の名前が具体的に決まっていないなど、トランプ氏の農政運営の骨格は見えてこない。今回の調査結果を読む限り、米国の農家は「根拠なき熱狂」に近い状態にあるようだ。期待通りに農業経営の好転が実感できなければ、新政権への不満が吹き出すことは確実だ。日本をはじめとした農産物輸出相手国への圧力も高まるように思う。