中国社会をどうとらえるか
- sandayu9
- 2017年9月11日
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法政大学社会学部の大﨑雄二教授の講演会。連合会館の会議室で午後6時半から。会社のKさんと歩いて参加した。途中、立ち食いソバを駆け込み、会議室に行くと、近藤さんがいた。一番前の列には懐かしい大野さんの姿も。
大﨑さんは元々はNHK記者として中国に駐在。それから国際交流基金などの勤務を経て学級生活へ。典型的なNHKの人とはちょっと感じが違うぼくとつとした雰囲気。
孫子の「彼を知りて己を知れば百戦して...」から話を始めた。
つまり、現在の日中間の緊張関係について、中国側の論理も知るべきだというもの。
日本国内で中国への親近感は低下している。天安門、小泉政権、そして尖閣列島。
習近平の中華民族の偉大な復興には、近代になって西欧列強やその手先の日本から支配、侵略、蔑視を受けた時代は過ぎ去り、これからは中国の夢の実現に向かうという内容がある。帝国列強に対するリベンジ革命としての社会主義、共産党。
現在の中国が日本に行っているのを注意深く観察すると、過去の帝国主義的な振る舞いに対する日本指導層の行いに対する批判。憲法や靖国神社。尖閣列島も日本が国有化したことがきっかけという点を忘れるべきではない。
歴史から読み解く現在と未来
大崎雄二 法政大学教授
現代中国を歴史を踏まえて検討。国民統合、民族政策など。
元NHK記者。勉強し直した。TPPは反対の立場。
庶民に街のある自由貿易には反対。
鄧小平
昔,纏足があった。よちよち歩きはいかん。改革開放をしっかりやれ。なぜ、鄧小平は西側に門戸を開いたのか。逆ではないか。
孫子の兵法
国が豊かになると民主化の方向に行くというイメージ。台湾、韓国。でも中国は違う。
民主化運動の中国はなぜか変わった。
自分勝手で自国中心。強欲。尖閣諸島は黙っておこうという大人の知恵。石原がはじめて野田が国有化。尖閣は石原が先に手を出した。
草の根まで及んでいるのか。抜け穴あり。上に政策あれば下に対策あり。
情報統制しているけれど抜け穴あり。
今深刻なのは、ウイグル族がかなりひどい目に合っている。「ムハンマド」という名前がつけられない。同時多発テロをうまく使った。ウイグルなどの自治拡大派をテロリストと断罪して封じ込めた。キリスト教もそう。温州は中国のエルサレム。
中国は1980年頃80%が親しみを感じていた。
古代から近世は漢字・漢文、儒教や技術、移民。
近代に入ると、福沢諭吉の「脱亜入欧」
中国・朝鮮は遅れた地域。別紙、支配、侵略。和製漢語。
中江兆民。
日清戦争以来は仲悪い。
1931年からのアジア太平洋戦争。
戦後は日中友好の世代。中国にはハエが一匹もいない。新中国への期待。
私も最後の世代。
私はギャップに悩んだ。日本で聞いていたのと違う現実。
天安門を経て脅威論、謙中意識。
一方で若い世代の留学についてサブカルチャーは一緒。
無関心なのは我々の方ではないか。
中国はもしかしたら全然変わっていないのではないか。我々の視点が変わったのではないか。
中華民族の偉大な復興
「中国の夢」
復興がキーワード。豊かで強かった時代とは何か。アヘン戦争で列強に負ける前の中国。
1)国家の富強、民族の振興、人民の幸福 中華民族
56の民族。中華のメンバーシップ、国家。国民統合。
中華民族の偉大な復興という中国の夢。復興のモデルは?
2)中国独自の道 中国の特色を持つ社会主義の道
西欧列強からの不当な支配。中国の実情に合わせた社会主義
改革創造
3)過去、現在、未来の連続線
21世紀型富強の大国という国家目標
リベンジ革命とみる
西欧列強や日本は悪いことをする。だから中国が主導する。
1987年社会主義初級段階論
資本主義的な手法を入れるのは資本の蓄積などが行われていない。社会主義が十分に開花できない。そこをやっている。
国民党と共産党。
国民党は情けなく描かれているが、国共合作2回。中国国民党もソビエト共産党を真似た。官僚資本主義。中国国民党の党営企業。犬が去って豚が来た。
日本では近代体験。
大野さんがきわめて本質的で鋭い質問。たぶん90歳近いような気もするが、まったく頭が鈍っている気配はない。終了後にあいさつ。